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働き方

2021.1.2

#株式会社バンザン 2021年の新年のごあいさつ。初心忘れず、「忘れられない、かずおくんの涙」

2021年、新年明けましておめでとうございます。

メガスタプラス編集部は、『理想と現実のあいだで、教育を考えるメディア』として、今年も気になる情報をキャッチアップし、お届けしたいと思います。

今回新年最初は、「オンライン家庭教師のメガスタ」「メガスタプラス」を運営する株式会社バンザン 山田代表から、皆さまへメッセージをお送りさせて頂きます。

忘れられない、かずおくんの涙。
オンライン教育構想の原点です。



株式会社バンザンの代表、山田博史といいます。メガバンクを退職し、1995年に教育の道を歩みはじめました。今、事業を始めて25年。力を入れて進めてきたオンライン家庭教師の事業が一気に成長して羽ばたく時期がやってきました。教育現場の課題と向き合ってきた家庭教師事業のノウハウの上に培った「オンライン家庭教師」、私たちの事業で「みんなに高い質の教育を届ける」というミッションに挑戦し、社会に貢献します。

かずおくんとの出会い。
私立中学受験指導の家庭教師。



家庭教師事業をはじめて間もないころのこと。私立中学を受験する、かずおくんという男の子に出会いました。素直でいい子だった。でも、学力の現状はかなり厳しい。それが、かずおくんの現実でした。

「普通の指導では、とても合格ラインまでたどりつくことはできない。」それが、営業として担当した僕の出した答え。お母さんに、まっすぐ伝えると、お母さんの顔は曇りました。

「家計的に苦しくて、提示された指導回数はちょっとムリなんです。優秀なプロの家庭教師がいいことはわかっているんですけど、予算があわないんです。」

苦しい現実にはあらがえない。ムリは押しつけられない。僕は無念を飲みこんで、週一回、学生の家庭教師が指導する、という内容で契約をいただきました。

このとき胸のうちは複雑。なぜならこの指導メニューでは、かずおくんの合格はかなり難しいことが、わかっていたから。でも、かずおくんには時間がない。切羽つまっているかずおくんには、この選択肢しか残されていなかった。どうにもならない現実に、僕は歯ぎしりするばかりでした。

結果、受験に失敗しました。
かずおくんは、肩を震わせて涙をポロポロ。



かずおくんは、泣いていました。ちいさな肩が、震えていました。

「あれしか選択肢がなかったんだ。」「仕方がないんだ。」

僕は自分に言い聞かせましたが、胸のうちのモヤモヤはすこしも晴れませんでした。季節が変わって、年がめぐっても、このモヤモヤは、ずっとずっと、僕の中に巣くっていました。

ベストの指導環境を提供したいけど、指導予算の壁が立ちはだかります。経済格差、地方格差が、日本中で、不合格に涙する子を生んでいる事実が心にずっと。お金が、合格の前に立ちふさがる、大きな壁になってしまう。地方の子どもたちは、なおさら、お金に加えて、近所にいい塾やいい指導者がいない、ということも、合格をはばんでしまうのです。

オンライン教育構想の母
このジレンマを、なんとかするんだ。



「このジレンマを、なんとしても解消したい。」何年たっても消えないこの思いが、スタディ・タウンとオンライン家庭教師という、オンライン教育構想の母だったのです。

ようやく、南の離島の生徒たち、北の雪国の生徒たちにも、大都会と変わりのない高いレベルの学習環境を提供できるようになりました。





そんな今、僕はあらためて、かずおくんの顔を思い出しいます。もう「次のかずおくんを生み出してはならない」と。もっともっと、サービスを高めつづけ、日本中に広げるんだ。

僕らの記憶から、かずおくんが消えてしまえば、バンザンの未来はひらけない。きれいごとではなく、本気でそう思っています。



誰にも教育チャンスが公平に開かれた社会の実現は明治以来、日本社会が追求してきたテーマです。そんな中で、生まれがものをいう社会を容認するのは、歴史的後退にほかならない。この道の行く手にどういう社会が待っているのか、今こそ考えるべきときです。

バンザンは、この問題に真正面から立ち向かいます。ご期待ください。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
この記事の執筆者:
山田 博史