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2021.5.29
デジタル化が進む時代と共に、ネット検索知識もチェック「エコーチェンバー」「フィルターバブル」ってナニ?
こんにちは、メガスタプラス編集部です。
インターネットに誰でもアクセスできる環境になれば、アクティブラーニングが進み、主体的な学びも進めやすくなります。インターネットで「調べる」「検索する」という情報収集を活用して、課題や問題を解決するステップは学習でも仕事でも同様です。これから学校教育のデジタル化で授業にデバイスの活用が進むことを期待しています。
■こちらもどうぞ「GIGAスクール元年、生徒への1人1台デバイス配布!身に付けたい5つのスキル!」 https://megaplus.ban-zan.com/trivia/p6387/
どんなテクノロジーも「使い方」が大切です。デジタル環境は学習に用いるだけでなく、あらゆる情報がインターネット上にあり、重要な情報の調査や比較検討にも活用され、また公的な情報だけでなく、個人的な意見もネット上に公開できます。世界中の情報から自分用に「最適化」されて表示されている情報が優先的に表示されてくることについて、ITリテラシーの観点も欠かせません。その「最適化」が、問題につながるケースがある点について理解を深めておきましょう。
では、どんなことに注意が必要か、見ていきましょう。
サイバーカスケードとは?
情報の最適化による
「集団極性化」を理解しよう
インターネットも時代の変化に伴い情報の扱われ方が変化してきました。ポータルサイトのような情報を集める「集約化」から、SNSのような情報の発信者となり利用者となる「双方向化」を経て、一人ひとりにカスタマイズされた情報が取得できる「最適化」に進んできたと言われています。その「最適化」が進む中で、懸念される事がらとして、インターネットの利用が世論を二極化し、社会の分断を招いているのではないかという議論があるのです。
■ 総務省サイト「第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd114210.html
総務省発表の「情報通信白書」より『ネット上の情報収集において、インターネットの持つ、同じ思考や主義を持つ者同士をつなげやすいという特徴から、「集団極性化」を引き起こしやすくなる「サイバーカスケード」という現象があると指摘した。』とあります。
サイバーカスケードとは、「集団極性化」現象の一種で、インターネット上で同じ考えや思想を持つ人々が強力に結びつくことで、閉鎖的で過激なコミュニティを形成する現象のことを意味します。2001年にアメリカの憲法学者であるキャス・サンスティーンが提唱しました。サイバーカスケードにより、誤った情報が拡散され、実際に事件に言った事例も起きています。例えば、災害時の誤った情報が拡散されたり、差別の先鋭化、いじめ、炎上などのトラブル事例があげられます。
こうした、もともと存在する人間が持つ心理的な傾向と、ネットメディアの特性の相互作用による現象と言われているものとして、「エコーチェンバー」と「フィルターバブル」が挙げられます。
集団の意見を信じてしまう!?
エコーチェンバーとは?
「エコーチェンバー」とは、狭い小部屋のなかで音を発すれば、部屋全体に反響し、何度も耳にするという状態を指しており、SNSで自らの意見を発信した場合に、自分に似た意見が集まりやすく、意見の増幅や強化が起きる様子を示している言葉です。エコーチェンバー現象の問題点は、自分たちの意見に同調する意見が過度に集まることで、その見方や意見が正しいと思い込み、それが間違っていることに気付く機会を失いかねない、という部分にあると言われています。エコーチェンバーとのつながりに、フィルターバブルも挙げられます。
ネットの中の『泡の壁』!?
フィルターバブルとは?
「フィルターバブル」とはアルゴリズムによってユーザーにとって興味の高い、有益だと思われる情報ばかりが優先表示された結果、その他の情報から隔離された状態に陥ってしまう状況を指します。検索サイトで特定のキーワードで検索すると、それ以降自分にとって興味のありそうな情報が、優先的に表示される機能です。溢れる情報の中から、情報をピックアップしてくれる機能は便利な反面、ある種の情報ばかりに触れることとなり、その他の重要な情報から遮断されてしまうわけですね。この状態が継続すれば、思考や価値観が、本来より狭い空間に狭められてしまうことが起きる、と指摘しています。
サイバーカスケードにより、「情報の共有が体験の共有を生む時代において、フィルターバブルは我々を引き裂く遠心力となる」と言われています。最適化された検索エンジンによって表示された結果は、なぜそれが表示されているのか、根拠は示されません。フィルターバブルの内側にいると、自分が触れている情報がどれほど偏っているのか、または情報が偏っていない客観的真実であるかどうかということも分からない状況になってしまうのです。冷静な判断や客観的視点が必要になるということですね。
まとめ
いかがでしたか?子どもが興味を持っている事がらの情報が閲覧できることは知的好奇心を掻き立て、上手に使えばそれを活かすことも出来ますが、反面、過度に信じ込んでしまうような懸念もあるということです。私たち大人も子どもも理解しておきたいインターネットの基礎知識ですね。本来は様々な意見が存在するはずの集団の知性を生かすには、多様な意見も参考にすることが必要です。集団極性化現象への対策としては「自分自身で意図して幅広い情報に触れる」ということを意識すること、また「インターネットの検索履歴を残す設定を外す」こと、「反対意見を見る」等の方法があります。
フィルターバブルは、目に見えない形で存在しているものであり、自身で選択しなくても、私たちの生活に組み込まれてしまう特性があります。インターネット上の検索行動やSNS上でのつながりのなか、自分とは異なる意見が自然と除外されてしまうことが、エコーチェンバー現象発生の仕組みとなっているということを理解して、インターネットを活用していきましょう。
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この記事の執筆者:
メガスタプラス編集部
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