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2020.5.26

2020年教育改革。これだけは知っておいてほしい2つのポイント。

こんにちは!メガスタプラス編集部です。
みなさんは「2020年教育改革」という言葉をご存知でしょうか?2020年に、新しくなった学習指導要領が教育現場で導入されたり、大学入試制度が大きく変化する出来事をまとめて、「2020年教育改革」と呼ばれています。
教育改革により、ただ知識を得るだけではなく、得た知識や技能をどう活かすか。そしてこれから変動してゆく時代の中で、どうやって学び続けていくか。未来に備えて必要な学び方の姿勢・思考を重視した新しい教育が行われます。
今回は、そもそもなぜ「教育改革」が行われるのか。その背景と、教育改革における2つの重要なポイントを紹介したいと思います。

なぜ教育改革が行われるのか?
その背景とは

2020年に実施される「教育改革」の背景には、大きく2つの社会的要因が存在します。

要因その1:テクノロジーの進歩
まず、1つ目の要因はテクノロジーの進歩によるものです。ニューヨーク市立大学教授であるキャシー・デビットソン氏は「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と予測しており、文部科学省が彼の意見を引用しています。
また、オックスフォード大学准教授であるマイケル・オズボーン氏は、「今後10~20年程度で、アメリカの総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」と主張しています。テクノロジーの進歩により既存の職業が淘汰されるようになり、これまでにない新たな働き方が必要とされています。
要因その2:グローバル化
2つ目の要因は、グローバル化の進展です。現在、日本国内で暮らす外国人や、海外で暮らす日本人が増加しており、世界共通語である英語を学ぶ必要性が高まっています。加えて、日本の3分の1の企業が外国人留学生を採用しており、さらに1000人以上の大企業に絞ると約3分の2の日本企業が外国人留学生を採用しています。
上記の2点を踏まえ、海外とうまく連携を取りながら、既存の職業が淘汰され高速で変化していく社会に対応していく必要があります。文部科学省では、「付加価値の高い人材」「我が国のイノベーション創出やグローバル化を担う人材」の2点を今後の経済成長を支える人材であると挙げており、それらを育成するために新しくなった教育が、2020年の「教育改革」なのです。

次に、教育改革によって何が変わるのか。大事なポイントを2つに分けて説明します。

教育改革その1
新学習指導要領

教育改革のポイント1つ目は、「新学習指導要領」の実施です。これにより幼稚園・小学校・中学校・高等学校のカリキュラムが新しくなります。

文部科学省では「学びに向かう力・人間性」「思考力・判断力・表現力」「知識・技能」という3つの資質を養うための新たな指導要領であるとし、これまでは、「学んだことをきちんと理解しているか(知識・技能)」の評価が大きなウエイトを占めていましたが、これからは、知識や技能を習得するだけではなく、それをもとに「自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」ことが求められるようになります。
具体的には、「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた授業が実施され、アクティブラーニングという授業方法が導入されます。グループワーク・ディベート・体験学習・問題解決型学習など、教員による一方通行の授業から、生徒自身が主体的・能動的に参加する授業・学習が積極的に実施されるようになります。

具体的なカリキュラムの変更点
指導方針や授業形式の他に、英語やプログランミングなど様々な教科が新設される予定です。小学校・中学校・高等学校でそれぞれ導入内容が異なるため、顕著な例を紹介します。

小学校

・英語(外国語活動)
小学3年時から「外国語活動」という授業が始まります。3年生・4年生と2年間かけ、「聞く」「話す」の2軸のコミュニケーションを中心に、年間35時間の授業を行います。
そして、5年生からは授業時間が70時間に。加えて、評価を必要とする正式な教科としてカリキュラムに組み込まれます。4年生までの「聞く」「話す」に加え、「書く」「読む」という範囲も学んでいきます。

・プログラミング教育
これまで、各小学校の裁量に任されていたプログラミング教育ですが、今回の改訂で必修となりました。コンピューターで文字を入力するといった基本的な操作から始まり、コンピューターに処理を行わせるための論理的思考力の習得を目指します。
ただし、新教科ではなく、現存の教科に必修として盛り込む形で実施される予定となっています。

・道徳教育
 今回の改訂で、「道徳」は「特別な教科」という位置付けになります。それに伴い、修正が加わった新しい教科書が使用されます。ただ、評価を数値化するべきでないとされ、成績評価の対象にはならない予定です。

中学校

・英語
 今回の改訂で、授業時間が105時間から140時間へ増加します。「聞く」「話す」「書く」「読む」の4技能の充実を図ることで、徹底的なコミュニケーション能力の育成を目指します。
・プログラミング教育
現行の指導要領から、「情報に関する技術」「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」という内容が追加され、学習内容が約2倍に広がったとおわれています。

高等学校

・主権者教育
2016年6月22日に、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことをきっかけに、公民科に「公共」という必修科目が導入されました。代わりに学習内容が重複する「現代社会」が廃止することになりました。子どもたち自らが主体となって政治を動かし、社会に参画する力を身につけることが目標です。

・消費者教育
2022年度に実施される予定の「成年年齢の引き下げ」により、「保護者の同意なしに契約できる年齢」、「保護者の同意なしに契約を取り消すことができる年齢」が18歳へ変わります。それに伴い、自立した消費者を育成するため、「公共」と「技術家庭科」の授業を通して、消費者契約の重要性、それに付随する消費者の権利行使の仕方など学習します。

教育改革その2
大学入試改革

2つ目の教育改革は、大学入試改革です。
2021年1月から、これまでのセンター試験に代わり「大学入学共通テスト」が実施されます。センター試験と比べ、大学入学共通テストでは、思考力・判断力・表現力も問われることが大きな特徴となっています。

センター試験から大学入学共通テストへ
3つの変更点

大学入学共通テストの導入発表時、センター試験との大きな変更点は3つあると言われていました。

①国語・数学に記述式問題の導入(2024年度には地理公民・理科分野にも記述問題が導入)
→2019年12月17日、文部科学省より導入見送りが表明される

②英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」という4技能評価に、「実用英語技能検定」や「TOEFL iBT」などの民間試験を活用
→2019年11月1日、文部科学省より活用の延期が表明される

③思考力・判断力・表現力を問う問題を中心に、出題方針変更。

以上の3点が大きな変更点ですが、上記の通り①②に関しては見送り・延期が発表されています。

③の主題方針の変更は、2020年4月現時点では実施予定です。センター試験に比べて、知識を単に問うのではなく、知識の「活用」に重点を置く出題が増えます。正解が一つとは限らない問題や、複数の情報を組み合わせて考える問題などが出題される予定です。

大学入学共通テストに合わせて「個別大学試験」も変わる。
3つの変更点

センター試験が大学入学共通テストに変わることで、「大学の個別学力試験」も多面的・総合的な評価が重視されるように変わります。変更点を大きく3つにまとめます。

①多面的・総合的評価の導入
各大学の一般選別(一般入試)において、志望理由書・小論文・面接が必要に応じて課されます。また学校推薦型選抜(推薦入試)や、総合型選抜(AO入試)などにおいても学力評価が重視されるようになります


②調査書を重視
学校成績や課外活動などを記載した調査書が、入学形態を問わず必要になります。

③アドミッションポリシーが入試内容、入試方針に反映
アドミッションポリシーとは「入学者受け入れ方針」のこと。それが入試内容に関係してきます。今後は、志望大学のアドミッションポリシーを意識した上で、高校時代に経験を積むことが必要になります。

以上の3点を踏まえると、入学形態に関係なく、学力評価と学校での活動成果の両方が求められるようになることがわかります。

これからも進化が続く教育改革
最新情報と新しい学習方法のキャッチアップを!

これまでは「いかに多く知識を蓄えられるか」、「いかに早く問題を解けるか」が学校や試験での評価の対象でした。しかし、これからの教育では、知識を身につけた上でそれをどのように使うのかといった「思考力・判断力・表現力」が問われます。

アメリカなどの先進国ではアクティブラーニングなどをすでに取り入れており、それに比べると日本は一歩も、二歩も出遅れているのが事実でしょう。2020年はあくまできっかけの年であり、これからもどんどん教育改革は進んでいきます。
変化し続ける社会に適応するための学力と人間力を兼ね備えた人物に成長するため、まずは、最新情報をしっかりとキャッチアップすることが重要です。そして、既存の勉強方法に加えて、新たな学習方法もキャッチアップできるようになりましょう!

この記事の執筆者:
メガスタプラス編集部