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2021.1.27
文部科学省が提唱 「GIGAスクール構想」って何? 重要なポイントをわかりやすく解説!
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こんにちは、メガスタ編集部です。2019年12月、文部科学省によって発表された「GIGAスクール構想」。名前は聞いたことはあるけど、具体的にどんな風になるの?と聞かれたら、中身はよく知らない。そんな方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「教育改革」その一環であるGIGAスクール構想。GIGAスクール構想とはそもそも何なのか。そして、この構想により教育がどのように変わっていくのかをご紹介していきたいと思います。
GIGAスクール構想とは?
GIGAスクール構想のGIGAとはGlobal and Innovation Gateway for Allの略称です。意味としては「すべての人に、世界の様々な技術革新を利用できるようにする」こと。全国の学校で義務教育を受ける児童生徒に、1人1台の学習者用PCやクラウド活用を前提とした高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画をまとめたものを、「GIGAスクール構想」と呼んでいます。
現在、日本ではOECD諸国に比べるとICT教育が遅れていると言われています。現に、日本の学校教育では、国語・数学・理科の3教科におけるデジタル機器の使用時間はOECD加盟国の中で最下位。地域間での使用率の格差も指摘されており、学習用途のICTをより活用していくために、2019年に提唱されたのが「GIGAスクール構想」です。
文部科学省サイト 「GIGAスクール構想の実現」
学校教育はどう変わる?
1.学習方法の変化
これまでの日本の学校教育は、教科書や黒板を用いて、板書を取るような授業方法がメインでした。それに対し、GIGAスクール構想では「すぐに」「どの教科でも」「誰でも」使えるICTの実現を掲げており、以下のような活用方法を挙げています。
・検索エンジン・サイトを活用した調べ学習
児童がコンピューターを使用して、さまざまな情報にアクセスし、主体的に情報を調べて選択する。
・文章作成ソフト・プレゼンテーションソフトの活用
それぞれの考えや学習を発表する際に、ソフトを活用する。
・デジタル教材の使用
アナログかつ画一的だった教材を、児童一人ひとりのレベルに合わせたデジタル教材にし、きめ細やかな学習を行う。
2.教科別の変化
【英語、外国語】
教科担当の講師に加え、海外の人々と直接コミュニケーションが可能に。より本物に近いコミュニケーションを学び、アウトプットの質と量を高める。
【理科】
観察、実験を動画やデータで記録することで、科学的な分析をして考察を深められるように。また、それらのデータを資料にまとめて、プレゼンソフトで発表も行う。
【社会】
自ら収集したデータを地図情報と照合して、より深い分析や取り組みを可能にする。
これらはほんの一例ですが、ICT活用がさらに加速すればこれまで考えられなかったような学校教育を行えるようになっていきます。
これからの学校の取組み
GIGAスクール構想といっても、自治体や学校側で準備しなくてはいけないポイントがいくつもあります。ここでは、3つのポイントを紹介します。
1.校内LANの整備
校内LANとは、学校内のコンピュータをネットワークで接続したシステムのことです。学校の中で、教員が教材や指導案などを共有したり、子どもたちの学習成果を保存・発表したり、パソコン画面を授業で提示したりすることができるようになります。
さらに、今まではPCルームなどの一部の教室でしかインターネットに接続できなかったものが、これからはすべての教室の端末からインターネット接続できるようになります。
2.PCの1人1台端末導入
構想の推進事業の中に、1人1台PC端末を導入するという計画が盛り込まれています。1人1台PC端末導入が実現すると、すべての生徒が主体的に情報を収集・整理・分析をすることができ、自分のペースで、より主体的な学習が可能になりますね。
教員側の観点からしてみても、生徒たちのデータ管理や生徒個々の学習スピードなどを視覚化して確認できるので、生徒に応じた指導をすることができます。
3.学習ツールと校務のクラウド化
全てのものがクラウド化することで、デジタル教科書や、オンラインテスト、グループウェア、ファイル共有といったものを一括管理することができます。
また、児童生徒の成績や出欠、健康診断のほか、学校事務を含む情報もクラウド化によって教員の業務効率化を図るという狙いもあります。
まとめ
このように、様々な学習効率化を図る目的で導入が進められているGIGAスクール構想によって、今後教育がより進化していくと考えられます。将来必要となるスキルがこれまでの社会区分されてきた職業像に留まらず、社会環境や社会課題が大きく変化しているために、子どもの教育にも変化が求められているのです。デバイスを通して、インターネットやテクノロジーを活用し情報を集め、整理し、課題解決に向かって思考をまとめたり、発表すると言ったアウトプットで他人と理解を深め、協力して課題に向き合うことの出来る人材を育成することが必要と考えられており、それが行動として起こせることが求められています。
「これまで当たり前だった教育や評価」という側面に縛られすぎず、テクノロジーを活用し社会の課題解決に取り組むこと、それが職業につながること自体を、すでに社会に出ている大人たち、また保護者も理解し、学習環境の変化と子どもたちに対応できるよう備える必要がありますね。教育業界にもICT化をはじめとしたオンラインの波はより強く押し寄せてくるでしょう。新しいテクノロジーについて、子どもだけでなくすべての大人たちも学び、積極的に取り入れ、身に付ける意識を持っておきたいものです。
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経済産業省「未来の教室」にて、アドバイザーとて省庁と取り組みを続ける佐藤教授にも取材しています。どんなことを意識して過ごしていくことが必要か?変化に対応できる大人を目指す、記事はこちらから。
(『教育から学びへ!—デジタルハリウッド大学大学院 佐藤昌宏教授に聞く【前編】』)
メガスタプラス編集部