知っておきたい AO推薦入試攻略シリーズVol.3 「小論文編」
2018.10.2
理解が遅い子ほど伸びる。質問するから。
「合格する子は、地頭がいい。」は、本当だろうか?
こんにちは。メガスタプラス編集部です。教育会社で働いていると、まわりから、「合格できる子ってのは、結局、地頭がいいんだでしょ?」って、そんなふうに言われることがけっこう多いんですよね。
「いや、本当にそういうことではないんですよ」ということを、いい機会なので実証したくて、家庭教師の声に耳を傾けてみました。
するとやっぱり、多くの講師が、こう言うんです。
「理解が遅い子が伸びることも、ぜんぜんめずらしくありません。わからないことを素直に認め、質問する素直さがあれば」と。
逆に、「ボクは理解が早い!」と自信を持っている子は、基礎をおろそかにするきらいがあるので、あんがい伸び悩むケースも多いとか。
なるほどお。私も結婚しておりまして、いずれ子どもを授かりたいと願っていますので、子育ての参考になります。たとえ、わが子が理解が遅い子であったとしても、叱ったりして子どもの素直に聞くチカラを奪ってはいかんのだなあ、と胸に刻んだ次第です。
さて、指導歴10年以上のあるベテランプロ講師の話が、私にはとてもわかりやすく、子ども観を見直すきっかけになりましたので、今回は、このプロ講師の声をみなさんにお届けしたいと思います。
合格できる子は、じつは言ったとおりやる子より、食い下がってくる子なんです。
以下、プロ講師のコメントです。
「先生、暗記すればいいんでしょ?」とか、「パターンを覚えれば、なんでも解けちゃうね。パターン教えてください」という子どもがいます。効率的な勉強法をわかっているようでいて、じつはこういう子が危険なのですね。
“点数を上げる単純な法則や近道がある”、と思い込んでしまう子は、ちょっと想定外のことがあると、パニックにおちいってしまうからです。
また、「はいわかりました」と、言ったとおりのことを、言ったとおりにやったり覚えたりする素直な子も、危険です。指示に従う力は伸びても、不測の状況への対応力や応用力が伸びません。初めての問題への読解力や想像力、難題への打開力が身につかないからです。
そこで私は、子どもの“食い下がってくる力”を、引き出し育むように心がけています。“はい、わかりました”“わかりません”ではなく、“先生、なんでそうなるの?”とか、“ここまでの理屈はわかるけど、ここからがわからないです”とか、“わかった気がするけど、まだ自信がない。もっと似た問題をやらせて”とか。
喜怒哀楽を顔に出しながら、あいまいな理解がイヤで、もっとわかりたいと食い下がってくる。そんな姿勢が、成績が急激に伸びるサインの一つだと思います。
食い下がって、解けなかった問題を乗り越えた子は、喜々として“この問題はこう考えて、こうやれば解けちゃうんだよ”と正解までのプロセスを説明したがります。つまり、ここがわからない!と言葉に出して食い下がったり、こうやれば解けちゃう!と自分なりのやり方を口で表現したがったりする子は、合格に大きく近づくということです。
『主体的に、問題に向き合う力』こそ、学習能力を大幅に高める本質的な力だと思います。人数の多い進学塾は、つい受動的な授業になって、子どもの主体性をおろそかにしがち。家庭教師が、塾とおなじではいけません。初めは家庭教師が説明したり書いたりしますが、ある程度したら、子どもに主体性を持たせて、子ども自身に説明させたり書かせたり。
生徒が主人公の主体的授業が理想です。先生が教える一方の姿を、ときにお母さんは喜びますが、それは遠回りで間違った姿なのだと、私は思います。
メガスタプラス編集部