SDGs実現のために、バンザンが取り組んでいる3つのこと
2018.11.7
「大学受験、地方は不利!」地方出身の社員の声、集めました(Part1)
地方出身の社員の声、
集めてみました。
こんにちは、常務取締役の横山です。
バンザンでは、昨年から本格的に「オンライン家庭教師」のサービスを開始しました。
都会の優れたプロ講師の授業を、北海道から沖縄まで、全国どこに住んでいても遠隔で受けられるサービスです(おかげさまで、受講生は続々と増えています)。
気づけばもう10年近く前から(2008年ごろ)、シンドバッドでは「オンライン教育サービス(教育×IT)」の領域に取り組み続けています。
その最大のミッションのひとつが「教育の地方格差の解消」です。
・「優秀な講師は、都会(東京)にばかり集まっている」
・「地方には予備校や塾も少ない」
・「ないことはないけど、遠くて通えない。通うのが大変」
・「離島や山間部は、そもそも予備校や塾もない」
こんな状況を解消できるのは、インターネットを駆使した教育サービスしかない、そう確信して、突き進んできました。
大学受験、都会と地方の
「教育格差」感じる83.6%
これは、当社で展開するオンライン家庭教師サービス「メガスタディオンライン」の受講生やその保護者を中心にとったアンケートの結果です。
実に、8割以上の生徒・保護者の方が「都会と地方の教育格差をかんじる」と回答しています。
アンケート回答数がそこまで多いわけではない(回答数171件)ので、統計学的な正確性となると不足はあるかもしれません。
ですが、地方出身者の方の実感値としては大きく外れていないと思います。
地方出身の社員も
「大学受験、地方は不利!」と
痛切に感じています。
そして、シンドバッドの社員にも、地方出身の社員がたくさんいます。
実体験として「地方は受験に不利だ!」と痛切に感じ、建前抜きで「教育の地方格差、何とかしたい!」と、日々の仕事に取り組んでいます。
今回、比較的軽い気持ちで「社員の声を拾いたい」と思い、「大学受験、地方ってどんなことが不利でしたか?皆さんの体験、ひとことでいいので教えてください」と投げかけたら、予想を遥に超える長文で「いかに地方が不利か」を綴る怨嗟に満ちた(笑)コメントが続々と届きました。
あまりにボリュームが多かったので、今回は「Part1」としましたが、2~3回にわけて紹介しようと思います。
【長野出身の社員の声】
困っていたことは、大学受験の際、田舎すぎて予備校がなく、学校の先生もそんなに頼りにならなかったことです。自分で考えて志望校を決めたり、勉強を進めなければいけなったのが大変でした。しっかりと進路相談にのってくれる人もいかなかったので、最後まで「これでいいのかな・・・」と不安を抱えながら入試に臨んでいました。
【茨城出身の社員の声】
当時は地元に大手有名予備校がありませんでした。東京にいたら大手予備校の一流講師の授業を受けることができたかもしれませんが、その機会に恵まれなかったことで受験情報やテクニックの面で不利だったと思います。
【山梨出身の社員の声】
山に囲まれた村社会だったのと、当時はインターネットもそれほど普及しておらず、外からの情報が入りにくかったです。「県内の高校に行き、県内の大学に行くこと」が当たり前的な風潮はありました。地元に塾は1つしかなく、交通の便も限られるため、学力を高めたい学生がこぞって通っている印象で、他の選択肢はありませんでしたね。
【愛媛出身の社員の声】
地方の不利を挙げると、東京に入試を受けに行く交通費が高い、私大の情報なんて高校に全くない、いつ何するかどの目安も分からない、塾は全て衛星予備校で直接教えてくれる先生自体少なかったことなど、ハードルだらけでした。
その前に、地方だと私大を受けるという選択肢が提示されない、選択肢が少ないことが一番精神的にきついと思います。やっぱり、地方だと「国公立いけない=出来が悪い」みたいな価値観があるので。高校の頃は、MARCH(青学や明治など)がどんなものかも想像つかなかったです。
【静岡出身の社員の声】
まず、交通の便が悪いところです。私が住んでいたところは、電車はなくバスも1時間に1本しかなかったので、高校へは片道40分かけて自転車で通っていました。予備校も駅前に集中していたので、通うには親の送り迎えが必要になるので、通っていませんでした。
受験の時にも、一人で新幹線で東京へ向かい、ホテルへ何泊もしながら、受験に向かう日々だったので、最終日には集中力も切れていました。
他には、大学生や社会人が周りにいないところです。東京なら、電車の中に大学生や社会人があふれていますが、地元だと大学は数カ所しかないので、大学生という存在は未知でした。だからこそ、地元の友達には大学に行かない子も多かったです。
【鹿児島出身の社員の声】
鹿児島で大学進学を目指す生徒は、基本的に国公立大学志望か、福岡・鹿児島を中心とする私立大学を志望します。そうした地域柄なので、早慶上智・GMARCHや関関同立を志望する生徒は学校でも「蚊帳の外」のような感じで、情報はネット検索に頼らざるを得ません。リアルな情報が圧倒的に少ないと思います。
東京で開催されるオープンキャンパスには気軽に行けないので、生の情報は取得できないですし、大手予備校のガイダンス等もないので、生徒・保護者ともに圧倒的に情報不足です。
建前ではない。
本気で何とかしたい、地方の教育格差。
すべて紹介すると長くなりすぎるので、この続きは「Part2」に譲りますが、特に、地方出身の社員は「教育の地方格差」を「自分ごと」として捉え、「何とか解決したい!」と熱意を持って取り組んでいます(もちろん地方出身ではない社員もですが!念のため!)。
もしかしたら、これを読んでくださった方のなかにも、地方出身で「そうそう!あるある!」と頷いてくださった方もいるかもしれません。
人口減少、地方の衰退(過疎)。そうした流れの中で、大手予備校や塾の撤退も加速しています。予備校や塾だけでなく、学校の統廃合なども進んでいます。
地方の教育インフラは危機にさらされている、といっても過言ではありません。
ここままだと、都会(首都圏)と地方の教育の不公平はさらに広がってしまいます。そうした地方の不利を解決できる可能性を秘めているのが「オンライン教育サービス(遠隔教育)」です。
いろいろなハードルはありますが、「オンライン家庭教師」をはじめとしたインターネット教育サービス、遠隔教育サービスを何とか世の中に広め、スタンダートにしていかないといけない、そう強く感じながら、サービス開発や改善に日々取り組んでいます。
(Part2に続く)
横山 弘毅