2021年。「センター試験」が「大学入学共通テスト」に。「大学入試」はどう変わる？

こんにちは！メガスタプラス編集部です。
2021年度に大学へ入学する世代からお馴染みの「センター試験」が廃止され、「大学入学共通テスト」が導入されます。
「大学入学共通テストって聞いたことあるけど、これまでの試験と何が変わるんだろう？」という方もいらっしゃることでしょう。今回はそんな疑問に詳しくお答えするために、大学入学共通テストが導入された背景と、これまでの試験とどんなところが違うのかを説明していきます。

大学入学共通テスト実施の背景

大学入学共通テスト実施の導入背景には、日本における社会的要因が関係しています。現在、この20年間で日本を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。そして、それに伴い小学校、中学校、高校、大学で実施される教育自体を、未来を見据えて作り変える必要があります。

しかし教育現場では、「大学入試が変わらないと高校教育は変えられない」「現存の入試では高校で探究的に学んでも評価されない部分がある」「高校卒業時に必要な力が身についていないため、大学教育の質向上が図れない」といった観点が問題視されていました。

そこで、「高校教育・大学入試・大学教育」をセットで改革するに至ったのです。教育改革の一環として新設された試験こそ、「大学入学共通テスト」です。

「大学入学共通テスト」だけでなく、
各大学で行われる入試も変わります。

大学入学共通テスト」の実施を皮切りとして、2021年度より「大学入試全体の方針・制度」が変わります。大学入学共通テストのみ変更すると思っていた方は、注意が必要ですよ！

新たな入試区分では「学力の三要素」がより重視され、どの入試区分でもバランス良く評価する入試へと変わります。学力の三要素とは、主体性・多様性・協働性のことです。
そして、現存の一般入試・AO入試・推薦入試という区分も、以下のように名前と方針が変わります。

・一般入試 → 一般選抜
・AO入試 → 総合型選抜
・推薦入試 → 学校推薦型選抜

一般選抜は学科試験だけではなく、志望理由や高校での取り組みなどの主体性を積極的に評価するように。総合型や学校推薦型では学力を測る学科試験を取り入れるなど、どの試験区分においても、学力・学校での活動実績の両方を評価されるようになりました。

ただし、対応は大学によって異なります。「志望する大学がどのように入試方式を変更するのか」、常にチェックしておくようにしましょう。

センター試験と、
大学入学共通テストの違いは？

大学入学共通テストの導入発表時、センター試験との大きな変更点は３つあると言われていました。

①国語・数学に記述式問題の導入（2024年度には地理公民・理科分野にも記述問題が導入）
→2019年12月17日、文部科学省より導入見送りが表明される

②英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」という４技能評価に、実用英語技能検定・TOEFL・iBTなどの民間試験を活用
→2019年11月１日、文部科学省より活用の延期が表明される

③思考力・判断力・表現力を問う問題を中心に、出題方針変更。
以上の3点が大きな変更点ですが、上記の通り①②に関しては見送り・延期が発表されています。
③の主題方針の変更は、2020年４月現時点では実施予定です。センター試験に比べ、「知識の活用」に重点を置く出題が増え、正解が一つとは限らない問題や、複数の情報を組み合わせて考える問題などが出題される予定となっています。

もちろん、問われる「知識レベル」に変更はないため、これまで通り勉強する必要があります。加えて、実用的かつ複合的な問題が出題されるため、十分な準備をするための演習時間を確保する必要性があるでしょう。

その他に、センター試験と大学入学共通テストの違いを表にまとめました。

日程や試験科目に変更はありませんが、数学I・Aの試験時間が変わったこと、英語の出題内容と配点区分が変わったことが特徴として挙げられます。

英語は特に注意が必要です。センター試験で「リーティング」200点、「リスニング」50点だったのが、共通テストではともに100点ずつになります。また、日本語で書かれていた設問文が英語になり、発音やアクセントの位置を問う問題や、英単語の並び順を整理する問題はなくなり、文字通りリーディングメインの問題に変わります。これまでの試験対策では、通用しないかもしれません。新たな対策方法を考えましょう。

大学入学共通テストのこれから

編集部は大学入学共通テストの情報をはじめとし、大学入試に関わる最新情報を随時発信していく予定です。今後もぜひ、チェックしてくださいね！