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ニュース

2020.10.21

デジタル庁創設で、 EdTechはどう変わる?

2020年9月16日、安倍首相の突然の辞任を受けて、後任の菅内閣が発足しました。携帯料金の低減など、いくつもの政策が掲げられるなか、特に注目を浴びたのがデジタル庁の新設です。デジタル推進を国として加速させることを目標としています。

民間教育では日本でも進んできたデジタル化の波が、学校教育においても加速するのか。デジタル庁の動きは、教育とも密接に関わっています。新しい内閣ができたことで、EdTechはどう変わる? 最近のニュースを見ながら動きを予想していきます。

そもそもデジタル庁って何?

デジタル改革担当大臣って何?

実はまだ、デジタル庁はできていません。当初から2022年4月発足予定という情報もあり、10月現在はまだ立ち上がっていません。ただし、発足はほぼ確実視されています。

そのデジタル庁新設をめざして、菅内閣で任命されたのが平井デジタル改革担当大臣です。このデジタル改革担当大臣という役職は、今回の流れを受けて新しく用意されたもの。平井大臣が担当となり、近い将来のデジタル庁新設を実現しよう、という流れになります。実際、平井大臣からも、発足の予定を前倒しするという発言もあり、2021年までの発足が予想されています。

デジタル庁創設の主な目的は、行政のデジタル対応をひとつの省庁へとまとめ、円滑にすることです。背景にはマイナンバーカード、GoToキャンペーンなど、行政がオンラインサービスを手がける機会の増加があります。それぞれの省庁が個別に進めることによって、各省庁でルールやノウハウ、対応にばらつきが出てしまったり、お互いに連携ができなかったりという課題があるなか、デジタル庁に一元化し、デジタル庁が各省庁と協力する体制をめざしています。

ほかにも、ネットハッキングなどに対するセキュリティをデジタル庁管轄のもと高いクオリティで担保するなど、国民のプライバシーを守るための重要な目的もありますが、さらに大きな目的は最新デジタル技術の積極活用です。今はデジタル技術をうまく使えていない省庁や自治体と協力することで、ITの利用を拡大する狙いがあります。ここ最近は文部科学省でもEdTechの推進を進めていますが、そこにデジタル庁が加わることでより速く、より高度なデジタル化が期待されています。

デジタル庁だけじゃない。

文科省にもデジタル本部、誕生。

また、9月にはデジタル改革担当大臣の任命のほかにも、大きな動きがありました。文部科学省にもデジタル化推進本部が設置されたのです。9月25日のことでした。

デジタル庁が新設が時間がかかっているのには、各省庁間で権限の移譲や人事異動などで調整が煩雑になっている事情があります。その点、同じ省庁内ならより早い動きが可能です。デジタル庁新設に先駆けて、特に教育分野でのデジタル化を進めるための省内部署ができたカタチになります。

デジタル化推進本部は教育のデジタル化とリモート化をめざし、年内をめどに対策をまとめるとされています。これがどのくらい実現性のある対策なのか、対策はスピード感を持って行われるのか、デジタル庁とどのように協力していくのかなどなど、注目されています。

まずは教科書のデジタル化から?

どうなる、学校教育。



そしてついに10月、新しい内閣でのEdTechの動きが見え始めました。ある閣議において、荻生田文科大臣と平井デジタル大臣、そして河野規制改革大臣の3者で協議が進められたことがわかりました。規制改革大臣も今回、新たに新設された大臣職で、政府が教育のデジタル化にこれまでの無駄を撤廃する狙いを抱いていることがわかります。

まず、荻生田大臣によると、平井デジタル大臣に「教育のためだけに自治体のデジタルシステムを再構築するのは二重投資になる可能性もある。サーバーの対応がいいのか、自治体を越えた広域クラウド化がいいのか。整理してほしいとお願いした」そう。これは行政の事情の問題なので、実際に教育を受ける子どもや保護者にはあまり関わりあることではありませんでした。

それに対して平井デジタル大臣は、「児童や生徒に1人1台の端末が配備されることを前提に、教科書は原則、『デジタル教科書』にすべきではないかと提案した。生徒らにとっても、教科書を何冊も抱えて移動するより、端末1台を持ち歩くほうが効率性を考えてもプラスになる」と記者会見の場で述べています。これまでも予定されてきた生徒へのデバイス配布ですが、今回、そのデバイスを用いることで教科書も紙からデジタルに変わることが示唆されました。今後の学校教育のデジタル化は、まず教科書から始まるのかもしれません。

さらに河野規制改革大臣は、「『デジタル教科書に移行したうえで、紙の教科書という選択肢があってもいい』という方向性は共有できたと思う。小学生の英語やプログラミングの教育を苦手な先生がやるより、オンラインでやってしまったほうがいい」と説明しています。現実的には、一部教科の教科書のみデジタル化ということになるのでしょうか。

おわりに

そしてついに10月、新しい内閣でのEdTechの動きが見え始めました。ある閣議において、荻生田文科大臣と平井デジタル大臣、そして河野規制改革大臣の3者で協議が進められたことがわかりました。規制改革大臣も今回、新たに新設された大臣職で、政府が教育のデジタル化にこれまでの無駄を撤廃する狙いを抱いていることがわかります。

いずれにしても、政府としてはまず「教科書」を問題にしていることがわかりました。デジタル教科書は、どのようなものになるのでしょうか? メガスタプラスは今後もEdTechの動きを注目して、改革を見守っています。

メガスタプラスは、教育の改革を応援しています。経済産業省「未来の教室」にて、アドバイザーとて省庁と取り組みを続ける佐藤教授にも取材しています。記事はこちらから。『教育から学びへ!—デジタルハリウッド大学大学院 佐藤昌宏教授に聞く【前編】』

※本記事は以下を参考・引用しました。

■「デジタル庁について」NTTデータ経営研究所
https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/reports/2020/0930/

■「文科省『デジタル化推進本部』設置 年内めどに対策」NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200925/k10012634871000.html

■「教育のデジタル化 文科省がデジタル相に課題の検討要請」NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201006/k10012650111000.html

この記事の執筆者:
メガスタプラス編集部