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教えて!先生!

2019.2.22

【前編】園児が、英検準2級、平均IQ144、50m走9秒42!大丸、松坂屋グループの幼児教育とは?

バイリンガル幼児園のスローガンは、
「世界に羽ばたく力を育む」

●大丸、松坂屋やパルコの経営、GINZA SIXや上野フロンティアタワーといった不動産事業の展開など、多彩な事業を推進する『J.フロント リテイリング㈱』(連結売上1兆1000億円超)。
●「くらしのあたらしい幸せ」を発明するマルチサービスリテーラーとして、いよいよバイリンガル幼児園の経営に乗り出す。JFRこどもみらい株式会社のスローガンは、「世界に羽ばたく力を育む」だ。
●すでに複数園を展開する「キッズデュオ インターナショナル」=KDIのフランチャイズパートナーとして、2019年春、「Daimaru Matsuzakaya Kids Duo International 青葉台」を開園する。
詳しくはこちら
●同社の加藤篤史社長(肩書きは取材当時のもの)に、「これからの時代に必要な幼児教育とは何か」について、お話いただきました。

こんにちは。メガスタプラス編集部のハラダです。正直、びっくりしてしまいました。KDIに通園する幼児たちの成長ぶりは、幼稚園のレベルを超えているからです。
オールイングリッシュで過ごす英語環境の中で、園児たちはなんと「英検」にチャレンジ。以下がその実績です。

・準2級(高校中級程度) 6名
・3級(中学卒業程度) 42名
・4級(中学中級程度) 77名
・5級(中学初級程度) 125名

その上、平均IQは144に達するというのです。100が一般的な平均値ですから、KDIの年長クラス平均IQ144は、知能の発達が著しいことを示しています。年中クラス時でも平均128。
さらに驚くべきことに、高いのは認知能力だけではなく、運動能力も飛躍的に伸びているのです。卒園までに小3レベルの身体能力が目標。体力測定では、小学校高学年レベルを記録した園児もいます。以下が、好成績者の実績数字です。

・50m走/9.42秒
(小4男子全国平均:9.61秒)
・ボール投げ/19.9m
(小3男子全国平均:15.89m)
・立ち幅跳び/158cm
(小5男子全国平均:153.72cm)
・反復横跳び/47回
(小6男子全国平均:46.70回)
・上体起こし/26回
(中1男子全国平均:24.64回)
・長座体前屈/44cm
(中2男子全国平均:43.57cm)
・シャトルラン/55回
(小4男子全国平均:48.00回)
・握力/14kg
(小3男子全国平均:12.81kg)

この前編インタビューでは、加藤篤史社長に、「バイリンガル教育」、「知能教育」、「運動指導」、「職業体験」についてくわしく聞きます。加藤社長は、強制も詰め込みもありませんよ、と笑います。うむむ、詰め込みなしで、英検合格するんだろうか?

1、バイリンガル教育(英語イマージョン教育)

― ハラダ:まず、英語教育について聞かせてください。子どもたちの英語力は、小中学校の授業のようなカタチで身につけるんですか?

加藤社長:いえいえ、授業というより、幼児園ライフの中で、英語に楽しく浸るイメージですね。年中さん、年長さんの多くは、日常的な英会話ができます。ランチ時間は、英語でおしゃべりするのですが、「このブロッコリーおいしいね」と、英語で会話を楽しんでいます。私が見ても、すごいなと思います。

― ハラダ:昼休みに英語でおしゃべり。びっくりですね。でもそうなるためには、たっぷりの宿題があったり、厳しいテストがあったりするのではないですか?

加藤社長:いや、ありませんよ(笑)。日本語を学ぶのと同じように、楽しみながら自然に英語を身につけることができます。各クラス2〜4名の先生が担当しますが、そのうち一人は外国人の先生です。生活の一部に外国人が当たり前に存在する環境を作っているのです。私たちは、これを「英語イマージョン教育」と呼んでいます。

― ハラダ:イマージョン?没頭させるという意味ですか?

加藤社長:いえ、immersionを”浸す”という意味で使っているんですよ。文字通り、英語に遊びの中でも自然に楽しく浸ることで、英語や外国人が当たり前になるんですね。日本語を意識せずに使えるように、英語への抵抗感もなくしてしまうのです。日本語を頭の中で英語に訳すのではなく、幼児から浸れば誰でも、英語で考え英語で発信する力がナチュラルに身につくのです。

― ハラダ:日本語はあまり使わないということですか?

加藤社長:それは誤解ですね。私たちは英語教育だけを提供しているわけではありません。子どもが日本人はもとより、世界中の人たちと明るく豊かにコミュニケーションできるように育てることが目的ですから、英語半分、日本語半分で、豊かな日本語を身につけることについてもしっかり意識しています。

― ハラダ:安心しました(笑)

加藤社長:6歳までに英語と母国語の双方をある一定レベルで習得できれば、脳の中で2つの言語が対等に積み上げられるため、その後の言語習得プロセスにおけるストレスを最小化することも可能なんです。

― ハラダ:園児のなかには、英検準2級に合格した子もいると聞きます。英検は、全員が受けるものですか?

加藤社長:これも誤解されがちなんですが、私たちには強制というスタンスはまったくありません。世界で認められる人間になるためには、自発性が何より大切だと考えていますから。挑戦してみたい子がいたら、自発的に受けてもらう、ということです。楽しく知的好奇心を刺激する環境なので、園児たちにも自発性が芽生えるようで、結果、受験する子は多いですね。

― ハラダ:強制ではないのに結果が出ている。秘訣はどこにあるのでしょうか?

加藤社長:KDIの母体は、やる気スイッチグループです。やる気スイッチグループは、長年、英語教育にも力を入れて、「英語を習得するための成長ステップ」を研究してきました。その成果を踏襲したカリキュラムを実践しているため、強制感なく、楽しみながら英語を習得できるのです。

2、知能教育(“考える遊び”カリキュラム)

― ハラダ:次に、知能教育について教えてください。「平均IQ144」という結果に驚きましたが、どんな知育を行っているのですか?

加藤社長:—学習力については、小学校3年生レベルの算数力・国語力の習得を目標としています。

― ハラダ:それはすごいですねえ。でも保育士さんは、学力のプロではないと思うんですが、なぜできるんですか?

加藤社長:2019年の4月にオープンする「Daimaru Matsuzakaya Kids Duo International 青葉台」で働く保育士さんには、3ヶ月間みっちりトレーニングを受けていただきます。3ヶ月間の集中研修で、独自の科学的メソッドを自分のものにしてもらうんです。すでに採用が決まり、希望された方は、既存のKDIで勤務し、実践の中でカリキュラムを学んでいただく。知育のプロ育成のために、投資は惜しみません。

― ハラダ:知育の方針みたいなものはあるんですか?

加藤社長:カリキュラムは、勉強ではなく、あくまでも考える遊びなんです。考える遊びの中にこそ、「学びのプロセス」は存在しますから、そこを大切にしながら、お子さん自身が楽しみの中で求める知的成長をサポートする、という姿勢ですね。押し付けではなく、引き出すんです。 KDIの知能教育は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を通じて、さまざまな刺激を子どもたちに与え、脳全体が等しく発達することを目指しています。

― ハラダ:学びの環境について、ならではの特徴ってありますか?

加藤社長:ビッグパッドを導入している点でしょうか。ビッグパッドは、テレビくらいの大きな高性能電子黒板です。テキストやドリルを使うのではなく、ビッグパッドで遊ぶように、学びを得てもらいます。IoT化やテクノロジーの発展によって、学びの幅は広がっていますね。テクノロジーに触れることで、新しい技術にすぐ適応できる子を育てたい。私自身、うらやましくなる先進の環境ですね。

― ハラダ:今の子はいいですねぇ。私もうらやましいです(笑)。

3、運動指導(東京大学大学院の教授監修)

― ハラダ:運動指導に関しては、いかがでしょうか?

加藤社長:運動能力についても小学校3年生程度を習得できるように指導します。さまざまな運動の根幹には、走る、跳ぶ、投げる、打つ、捕る、蹴る、組む、バランス、リズムといった9つの基本動作があります。

― ハラダ:東京大学の教授がカリキュラムを監修していると聞きましたが。

加藤社長:やる気スイッチグループは、東京大学大学院の深代千之教授の監修のもと、幼児期に必要な運動を科学的に分析し、個々の運動能力を最大限に引き出すカリキュラムを開発しました。300種類ものプログラムを通じて、基礎的な能力が整うようになっています。

― ハラダ:300種類のプログラム!なんだか難しそうですね。

加藤社長:それが、違うんです。1日1時間、専門の先生と一緒に、運動する時間が設けられているのですが、そこはやはり子どもなので、忍者に見立てて、おもちゃを使いながら、遊ぶように基本動作を習得できるような工夫がしてあるのです。

― ハラダ:それなら楽しそうですね。最初からよく出来る子となかなか上手くいかない子と、能力の差は出てきませんか?

加藤社長:能力の差は問題ではありません。決して子どもを比べて競わせるわけではありませんから。最初にお話ししたように、脳の発達には、眠っている電気回路を繋げてあげる必要があります。一つひとつ出来ることを増やして、一人ひとりの器をいかに広げてあげられるかが重要だと考えています。

― ハラダ:小学校3年生レベルの身体能力が目標とのことですが、一人一人の成長過程はどのように追いかけているのですか?

加藤社長:KDIには、走る、投げる、跳ぶなどのスポーツに必要な基本動作をどれくらい身につけられたかを診断する独自のシステムがあります。定期的にビデオで撮影し、子どもたちの運動能力をみえる化しているのです。この診断システムを用いると、「どの能力が伸びていて、どの能力が伸びていないか」や、「お子さんに向いているスポーツ」をフィードバックすることができます。フィードバックの方法にも、やる気スイッチグループのノウハウが活きています。

4、職業体験(いずれ百貨店などのリアル体験を)

― ハラダ:幼児に職業体験。すごくユニークですね。どんな取り組みなんですか?

加藤社長:園内に、職業体験コーナーを設けていて、働くことの楽しさや大変さを身をもって経験し、生活の営みや社会の仕組みを学んでもらいたいと考えています。「キッザニアのような施設が園内にある」といえば、分かりやすいでしょうか。

― ハラダ:園内にあるんですね。職業体験ということでいえば、御社は小売業を主にしていらっしゃいますから、強みがありそうですね。

加藤社長:そうですね。現存の職業体験コーナーの内装は、すべて壁紙で作られていますが、当グループの内装事業会社のノウハウを活用し、なるべく本物の職場のように施工したいと思っています。子どもたちに、よりリアルな社会体験を得てほしいのです。

― ハラダ:将来的には、園外に飛び出して職業体験プログラムを実施するとか?

加藤社長:百貨店など、JFRグループの小売の現場の力を借りて、地域の商業施設で職業体験をしてもらうなどを考えています。そこで調理をするのか、試食を配るのか、接客をするのか、まだ分かりませんが、擬似体験ではなく、本物の体験をしてもらいたいですね。当社グループのサービスを教育の場としてうまく活用し、新たな価値を生み出していきたいですね。

― ハラダ:「地域と一緒に子育てしていく」という視点は、特に都心においては、今後、注目を集めそうですね。加藤社長、ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

(次回後編へと続く)

後編の記事はこちらから

この記事の執筆者:
ハラダ