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教えて!先生!

2020.12.2

#教育最前線 「最高に、楽しく。」「一緒に、創ろう。」 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部‗教員が語る【後編】

2020年11月9日 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 アントレプレナーシップ学科新設 記者会見にて対談が行われました。「これからの社会で、価値ある自分になる」その必要性や未来への展望が語られました。
<トークディスカッション>
ファシリテーター:
■ 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 学部長就任予定 伊藤羊一氏
(2020年11月1日現在 武蔵野大学 経済学部 特任教授)
(ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリスト/Yahoo!アカデミア学長)

登壇者:
■ 武蔵野大学 学長 西本 照真氏
■ 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 教員就任予定 井上 浄氏
(株式会社リバネス 代表取締役副社長CTO)
■ 武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 教員就任予定 篠田 真貴子氏
(エール株式会社 取締役)

#教育最前線 「会社に入るか。社会を創るか。」武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 新設!【前編】では、学部長就任予定の伊藤羊一さんがお話しされた記事を公開しています。



今の時代に合った取組みとして、
仲間として一緒にやっていく。

― 篠田さん: テクノロジーそのものだけでは、私たちは幸せにはならないですよね。テクノロジーを人間社会に馴染ませることが必要です。ベストセラー「LIFE SHIFT」の著者 リンダグラットンの新刊(Andrew J. Scott (著), Lynda Gratton (著)『The New Long Life: A Framework for Flourishing in a Changing World』(Bloomsbury Publishing、2020年) にある一節を引用させていただくと、「テクノロジーは、私たちの生活に馴染ませて初めて、幸せになれる」と言っています。テクノロジーを活かす仕組みや、使い方の問題ということですね。

私と同じ世代でも「50代になって、この歳から新しいことをやるなんて」という人は多いのですが、社会はどんどん変化しているのに、テクノロジーの使い方や仕組みが工業社会最適化されたままになってしまっていることが多いと思います。これからの時代は「知的社会に価値が置かれていく」のですから、現在の人間社会や私たちの生き方にテクノロジーをつなげていくことが必要だと思います。働き方のギャップが生まれているのも、多くの場合、組織というものは定義からして「過去のうまくいったパターン」や「過去の成功体験を生かしている」もの。今、時代の変化に見合うようにつなげていくことが必要だと思います。

そして、その為の人間理解。他者理解。個として集団として。これから一緒に学ぶ仲間も、18年間違う生活を送ってきたわけです。人間理解や他者理解がなぜ必要か、考えてみてください。工業化の仕組みは同じものが作られる仕組みですが、これからの時代は知識労働が中心になっていきます。感情は人間からしか生まれてこないのですから、その感情を他者と共有していくこと、人間理解を深めていくことが非常に大事になります。相手が何を美しいと思うのか、何を大事だと思うのかなどを知ること、理解するということです。

― 井上さん: 私には、大学院生時代、研究に没頭していた頃からの「世界一面白い研究所を作ってやろう。」という思いが原点にあります。大変なことも楽しいことも、活動していく中で研究できるので、行動していくことが大事と思います。初めて聞いたことも、自分ごとにして何度も繰り返すことが、社会で還元できる大きな力になると思いました。アントレプレナーシップの話を聞ける場所は他にもあると思いますが、自分の将来の選択肢として聞く機会はなかったのではないかなと思います。だから、実際に繰り返しやってみる場所がなかったわけです。そんな風に取り組める場所があるのであれば、18年前に戻った気持ちで自分ごととしてみんなと新しいことをやりたいですね。

彼らは、22世紀まで生きるんですよね。これから80年先まで生きている人を育てる。最高に楽しいと思える場所にする。自分ごとにするためには、現場を見ることが大事です。実際に見る。現地で自分ごととして経験して、自分ごとにして動いていく。私も一緒に飛び込んでいきたいですね。仲間として一緒にやっていきたいと思っています。

どういう未来を創ろう。
社会の未来に、どんな風に役割を果たそう。

― 篠田さん: 20世紀は工業生産の時代でした。21世代は知識労働の価値が高まる時代です。T型フォード1990年代のままの仕組みが今の時代にも続いていて、知識労働の場がまだ仕組み化されていないですよね。知識労働の価値が爆上がりする前に、このアントレプレナーシップ学部の新設が、一石を投じる取り組みとなれば最高です。

―― 井上さん: 個人の熱量が非常に重要だと思います。誰とやるのか?ということですね。「どこの会社の誰」と取り組むという見方ではなく、「誰(個)と仕事をしています」と表現するようになっていきます。もちろん、会社にいなければ出来ないこともありますけど、自分の名前で生きていける人、という思考が大事ですね。この学部で、好きなことに何度も挑戦して、繰り返してやることで、力を付けることが出来る。個の力で世界は大きく発展すると思っているんです。それを形にする。僕の考えている未来です。

30年後に向けて、世界の幸せをカタチに。
変化の中で実現できる人材を。

―― 西本学長: この学部から世界を担っていく人材を養成していきたいですね。これから30年後に向けて世界を担っていく世代です。目先のことだけでなく、これからの30年にどんな変化があっても、乗り越えていくことの出来る人。世界の幸せを形にしていきたいです。どう形にしていくか、どう事業化していくか、そう出来る人材が必要だと考えています。社会の最前線で活躍する皆さんに教員になっていただきたいと思って、伊藤さんにお引き受けいただけました。一年準備をしてきて、来年ようやく開設に辿り着きました。

「世界の幸せ」ということをよく考えると、「苦しみを大掃除すれば、幸せが出来る。」というのは幻想だと思うんですね。本来、みんな何か苦しみや悲しみを抱えているものです。だから、幸せはどう生きるのか、何をどのように見つめて歩いていくか、そのマインドをしっかり身に付けることが一番基本の部分だと思います。この学部で最前線の社会にどっぷりつかってもらって、学生に目覚めて欲しいなと思っています。

-編集部:
これからは「知識労働」に価値が高まる時代、どの企業で働くという視点より、自分自身がどう生きるか、何を誰とやるのか、「個」の力を付けることで未来を切り拓ける可能性が高まるんですね。多くのテクノロジーやリソースを活かした知識労働の時代に、私たちが幸せに暮らす30年後の未来を創るため、自分で考え行動して実現できる人材を養成したい。繰り返し取り組むことが出来る場を大学に学部として設けたというお話しを伺いました。2020年4月から開設、1年目はEMC Base(学生寮)で共に生活しながらの学ぶとのことです。どんな取り組みがなされるのか、また取材に伺いたいと思います。お楽しみに!

#教育最前線 「会社に入るか。社会を創るか。」武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 新設!【前編】では、学部長就任予定の伊藤羊一さんがお話しされた記事を公開しています。

この記事の執筆者:
メガスタプラス編集部