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教えて!先生!

2021.1.30

#教えて先生!『教育イノベータが救う!教育のミライ』デジタルハリウッド大学大学院 佐藤教授に聞く!

国内最大級教育イノベーターが集結する年に1回のイベント
2020年11月3日・4日・5日『Edvation x Summit 2020 Online』
https://www.edvationxsummit.jp/

『Edvation x Summit 2020 Online は、国内における教育イノベーションの加速を推進すべく、「新しい教育の選択肢を知って頂くこと」と「既成概念にとらわれない教育イノベータを生み出すこと」を目的とした、世界初のEdTechグローバルカンファレンスイベントです。』

主催者であるデジタルハリウッド大学大学院 教授 佐藤先生に教育イノベータ応援についてお話を伺いました。

教育イノベータのお祭りイベント
アメリカ発のEdTech
「日本でもやろう!」と決めた

Eduvation Summit2020 は、教育イノベータの為のお祭りです。初期段階から参加してくれている中心的なメンバーと、共に進んでいる感覚ですね。教育イノベーションに関しては、日本が一番熱い国だと思いますし、GIGAスクール構想を進める国のイノベータが集まっています。彼らとはすでに共通言語みたいなものまであるくらいなんですよ。

日本では「EdTech」が最近注目されはじめたように感じている人もいるようですが、発祥は約10年前です。発祥国のアメリカでは米テキサス州オースティンにて開催される革新的な教育イノベータが集まるイベント「SXSW EDU(サウス・バイ・サウスウエスト・イー・ディー・ユー)」が行われ、活発に教育イノベーターが活動を始めていました。グローバル規模の教育フェスティバルとして世界中から教育関係者やEdTechプレイヤーが1万人以上集まって行われる教育イノベータによるセッションやミートアップに、私はすっかり魅了されました。

2013年に初めてそのイベントに参加してから、私も「イノベーションだ!」という想いを日本で広く伝えたいと思いましたが、まだ国内でEdTechは知られておらず、周りに話しても全く共感してもらえませんでした。そこで国内で活動する教育イノベータに声をかけ、一緒に現地のイベントに参加しないかと誘いました。私たちもブースを借りて日本の教育イノベータを紹介していきたいと思ったのです。最初は2・3社だった参加者は毎年増え、次第に20~30社の規模になっていき、毎年参加してくれるような中心的なメンバーとのつながりも強くなっていきました。教育イノベータの仲間たちと一緒に参加できるのは大変喜ばしいことでしたが、これ以上誘うには限界があると思い「日本でもやろう!」思い立ったのがきっかけです。



イノベータはとても少ない状況であることは事実です。今ある仕組みに対して「こうあるべきじゃないかな?」と考えるクリティカルシンキングが求められますし、それを声に出して表現できるのは100人に1人程度しかいないかもしれません。

自分がイノベータにならなくても、教育イノベーションは必要で大事であることを共通目標として、そのリーダーに対して協力する姿勢であって欲しいと思います。イノベータ同志の共通認識にあるリーダーへの自律的支援と組織への主体的貢献をするという「フォロワーシップ」の精神はイノベータにとって必要なものです。サイレントマジョリティーに留まらず、フォロワーシップを発揮してくれる人が増えることを願っています。

EdTechは万能ではない
テクノロジーをバランスよく使う


DX(デジタルトランスフォーメーション)の前に、世の中ではデジタライゼーションが進みました。映写機は小型カメラになり、紙に印刷して仕事をしていたものが、パソコンで処理できるようになり、インターネットの出現により誰でも簡単に世界中の情報にアクセスできるようになったんです。これからもデジタルテクノロジーやインターネットの進化は更に進みます。これを別世界のことのように感じる方もいると思いますが、社会は大きく変わっていきます。ぜひ、怖がらず、使ってみて欲しいと思います。

更に、このままテクノロジーが進化していくと、コンピュータが人間を超える「シンギュラリティ」が起こるのではないか、と言ったような、ある種の恐怖を煽る議論がなされることもありますが、現時点では、コンピュータには目標や目的を持つことは出来ません。全て、人間がコマンド(命令)を与えた条件を元に処理するわけです。将来、コンピュータ自ら目標や目的を見出すことができる時代になるかもしれませんが、そのアルゴリズム自体も人間が作ることになるので、私たちの幸せのために作ることが大事になります。つまり、テクノロジーの進化と人間の幸せとは何かを考えるリベラルアーツの融合が更に必要になると思います。技術に白も黒も善も悪もありません。それを決めるのは全て人間なのです。

学びは大人にも必要。
子を持つ親も、先生も
時代の変化に適応していこう



大人も時代の変化に適応する必要があります。

適応する為には大人自身が学ばなければなりません。「最終学歴」より重要なことは 「最新学習歴」です。大人も学び続けることを子どもに伝えていくべきではないでしょうか。これまでの時代の変化で、大人たちもほとんどの人が荒波にもまれてきているはずです。私は、それをそのまま伝えれば良いと思うんです。

世の中は変化していくし、新しい技術も開発されていきます。新しいことを学び続けなければ、経済も産業も右肩下がりになってしまう。これまでの手段にとらわれていたら、子どもたちは将来を生き残っていけません。現在でさえ世の中はどんどん複雑になり、どうしたらいいか大人でも答えが分からないことが多くなりました。

だからこそ「仕組み」に頼ってしまうという点があるように思います。受験合格や偏差値、 学校教育の仕組みになども変わっていく必要があります。学校の先生は忙しいとよく言われ ます。実際に本当に時間が取れないのかもしれません。でも「忙しい」という理由で「デジタル化に取り組まない」という結論にするのはもう終わりにすべきです。

「学び続けなければいけない」のですから、出来ない理由を探すより、自ら提案をして、具体的に変えていくことが必要だと思います。学びに終わりはないですよね。テクノロジーの活用が更に進む未来に向けて、デジタル化が必要であり、大人も一生学び続けること、そしてそれを実現に向け牽引するイノべーターに多くの方の理解が深まることを願っています。



―編集部: 大人よりも子どもの方が、新しいテクノロジーに馴染むのが早いかもしれませんね。将来、社会に貢献していく子どもたちが身に付けるべきことは何かを考えると同時に、私たち大人も日々新しい技術に興味を持って自身の生活に取り入れてみよう、という意識が必要だと感じました。佐藤先生ありがとうございました。

<経済産業省からのメッセージ> 雇用の流動性や働き方改革が進み、同時に第4次産業革命やグローバル化も進行する産業構造の中で、大人が一生学び続けて自分を磨き続ける「リカレント教育」の重要性が増しています。
https://www.learning-innovation.go.jp/recurrent/

経済産業省主催「ポストコロナ時代の企業人材育成とは?」 〜越境学習によるVUCA時代の企業人材育成〜 第1回「イノベーション人材育成と越境学習の可能性」浅野座長 「越境学習」アーカイブ動画もご覧になれます。
https://www.learning-innovation.go.jp/recurrent/

この記事の執筆者:
メガスタプラス編集部