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2021.6.16
学校も家庭も!みんなで学ぼう!「教育環境のデジタル化」と「情報セキュリティ」アップデート
こんにちは、メガスタプラス編集部です。
文部科学省は2021年5月、GIGAスクール構想における1人1台のデバイス配布と教育のデジタル化推進に関し、使用する子どもも指導する学校にも必要な知識となるセキュリティ対策の記述の改訂を行いました。
■文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の改訂版 https://www.mext.go.jp/content/20210528-mxt_jogai02-000011648_001.pdf
今回の改訂ポイントは、「端末整備推進に伴う新たなセキュリティ対策の充実」と「教育情報ネットワークの在り方を明確化」としています。
特に、「端末整備推進に伴う新たなセキュリティ対策の充実」においては、学校環境に限らず家庭にも必要な知識が多く含まれています。教育が変わることで、必要となる保護者の知識も変わるという点を理解して、大人も学び直しが必要ですね。では、ポイントをチェックしていきましょう。
家庭での「リテラシー教育」も必要
デバイスの持ち帰り学習に
情報セキュリティ対策の課題
この改定では今後、授業だけでなく、「デバイスの持ち帰り学習」が行われる場合の家庭での使用方法について、保護者に注意を呼びかける内容も含まれています。それ以前に、保護者の情報セキュリティ知識が不足していると、上手な活用を促せません。現代社会において、コンピュータやデバイスの知識やスキルは必須と考えれば、ITリテラシー向上は欠かせないものです。学校のデバイスに限らず、私物のパソコンやスマートフォン、タブレット等の利用まで含めると、更に幅広いITに関しての理解が必要です。
特にスマートフォン利用に関しては、他人がアクセスしない(してほしくない)、個人所有・プライバシー利用環境です。ブラウザからのネット閲覧やアプリの利用、SNSの利用も広がり、他人とのコミュニケーションにおいても欠かせないものとなっています。学校教育の場で指導できる内容ではないため、保護者による教育が必要な分野であると言えます。子ども任せにせず、安全で快適な利用を促す必要があります。
デバイスの「仕組みと仕様」
ネットの「リスクとセキュリティ」
「モラルとマナー」「使い方」
ITの時代からICTの時代へ、情報化社会から超スマート社会へと変化し続けています。その中で、ITリテラシーもアップデートしていく必要性がありますね。どんな知識が必要となるでしょうか。子どもたちの学校教育にもデバイスが配布され、教育のデジタル化が始まりました。
デバイスを活用する為の基礎知識のひとつに、仕組みと仕様の観点があります。パソコン、タブレット端末、スマートフォン、ハードディスク、メモリ、USB、OS(コンピュータを動かす基本ソフトウェア)、アプリケーション(EXCEL、ZOOMなど)、ブラウザ、SaaS(クラウド上で動くソフトウェア)、プロバイダ、無線LAN設定、Wi-Fi接続等の通信方法、ファイル形式など、理解しようとすれば幅広い知識が必要なことが分かります。例えば、パソコンの動作に不具合が生じた場合でも、要因がどれによるものなのか分からなければ、対処しようがありません。逆に、それらはデバイスを活用するためのスキルや知識であり、学習する、使って覚える、繰り返して慣れていくということが必要です。
今後もデバイスは新しいテクノロジーにより出来ることが増えていきます。それらを活用しながら、より持続可能な社会づくりと新しい価値を創造していくために継続的にITリテラシーを向上させていくことは、全世代に共通する必要な学びの一つです。まずは、今回の教育情報セキュリティガイドラインに掲げられているポイントを参考にご説明していきます。
フィルタリング設定?
マルウェアってなに?
不正ソフトとは何を指す?
「Webフィルタリング」 企業や学校などの組織でインターネットを利用する時に、悪意のある第三者の作成した不正サイトへのアクセスや、閲覧が不適切と思われるWebサイト、セキュリティ上の危険性があるWebサイトへアクセスできないよう制限することを指します。
・ブラックリスト方式…アクセス不可のサイト以外アクセス可
・ホワイトリスト方式…アクセス許可の指定サイトのみアクセス可
・カテゴリフィルタリング方式…一定のカテゴリに該当するサイトのみアクセス可
一番制限が厳しいのはホワイトリスト方式です。セキュリティレベルは高く維持できますが、アクセスできる範囲が限られ過ぎて生産性が低くなる等の弊害もあります。ブラックリスト方式もホワイトリスト方式も、定期的なアップデートが必要になるメンテナンス労力も必要です。
また、ガイドライン改訂版には、検索エンジンのセーフサーチ(検索エンジンの検索結果に不適切な情報が含まれる場合に表示させないようにする機能。)、セーフブラウジング(ウェブサイト閲覧時に不正なサイトであることが疑われる場合、利用者に対して警告を表示する機能。)も設定が必要な内容として、記載されています。
「マルウェア」 マルウェアとはウィルス、ワーム、トロイの木馬といった悪意のあるソフトウェアの総称です。 英語で「悪意がある」という意味のmaliciousとsoftwareが合わさってマルウェアと呼ばれるようになりました。ネットバンキングの情報や個人情報を盗んだり、マルウェアを感染させることで修正パッチと引き換えに身代金を要求したりするなど、実害の被害も出ています。
パソコン内のデータやアプリケーションの削除や改ざんをするほか、データを盗み出したり、登録してあるメールアドレスに自身を複製し同時に送り付けるなど拡散機能を持っていたり、外部に晒すなどの行為をします。パソコンがのっとられ遠隔操作で動かされてしまう、大量の迷惑メールが送られ、パソコンを初期化せざるを得なくなるなど、マルウェアによる被害は甚大です。
■マルウェアへの対策
・最新版のセキュリティソフトを入れ、最新の状態を保つ
・電子メールの添付ファイルやwebサイトのリンクをむやみにクリックしない
・怪しいwebサイトは開かない
・ソフトウェアやアプリケーションは、信頼性の高い製品を選ぶ
・OSは常に最新の状態を保ち脆弱性を解消する
また、悪意のあるユーザーはセキュリティソフトが検知できない更に新しいマルウェアを開発し続けています。パソコンには常に最新版のセキュリティソフトを入れておき、更新もこまめにしておきましょう。
「不正ソフトインストール防止」 ガイドラインでは、不正ソフトウェアのインストール防止、セキュリティ設定の一元管理、端末の盗難・紛失における遠隔からの端末のロックやデータ消去などの対策を行う必要性について記載しています。
■不正なソフトウェアとは
「不正なソフトウェア」とは、パソコンに悪影響を与えることを目的とする、あらゆるソフトウェアを指します。
・ウィルス: 自身をコピーしてPC感染する、有害なプログラム
・ワーム: ネットワークを介して他のPCに自身のコピーを送信するプログラム
・スパイウェア: ユーザー情報搾取する、不正なソフトウェア
・アドウェア: 自動的に広告の再生、表示、ダウンロードを行うソフトウェア
・トロイの木馬: ほかのアプリケーションを装い、インストールするとPC被害を及ぼす破壊的プログラム
自宅デバイス環境も要チェック
家族のルールと使い方
利用マナーとモラルを養う
インターネット上にアクセスすると、IDやパスワードでログインするアプリケーションやサービスが多数あります。第三者による乗っ取り被害から身を守るためにはパスワード設定を難しくする、定期的な変更、パスワードの管理も必要になります。家族共有で使用するデバイスはもちろん、個人所有の場合は更に管理を徹底する必要があるため、リスク対策に不慣れな子どもには、起こり得る被害と個々で情報を守ることの大切さについて伝え、定期的な確認を行うことが大切ですね。
セキュリティを高く保つために環境設定が必要であることに加えて、利用者がデバイスをどのように使うか、その「使い方」も大切です。物理的に「モノ」であるデバイスや機器類は劣化しますし、丁重にしなければ壊れます。また、作業者の身体に対する影響に長時間のデバイス使用で眼精疲労やドライアイ、ずっと同じ姿勢での作業を行っての血流悪化、凝りやむくみなどを起こすと言われています。一定時間仕様ごとに画面から目を外す、腕や肩を回す等が必要なことを理解して利用するようにしましょう。
また使用時間や使用場所も、家族でルールを設けるなども、お互いに良い時間を過ごすために大切なことです。スマホばかりを見てコミュニケーションが取れていない、インターネットで動画や映画を長時間視聴する、無料で始められるが課金があるゲームなど、家族同士のもめごとの種を作ってしまうこともあります。テレワークでのオンライン会議の場所、使用時間の目安、食事中はスマホに触らないなど家族間で話し合いしておくと、余計なケンカやトラブルを防止できそうです。
まとめ
今回は、文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の改訂版が公表された内容を用い、教育のデジタル化推進に当たって整備を進める内容を中心にお伝えさせて頂きました。
インターネットは、手軽に世界中の情報にアクセスでき、知らないことをすぐ調べるのにとても便利です。そして、一定の生活をより快適に過ごすための知恵やサービスの情報であふれています。しかし、本当にそれらの情報が良いものばかりとは限らない点と、インターネット上には世界中の人がアクセスしており、中には悪用する人が存在します。また、インターネット上で公開された情報は、履歴として残ることも理解しておかなければならない特徴の一つですね。インターネットに個人情報を流すような嫌がらせやいじめ、また一定の意見が膨張し炎上するようなことも多く起こっています。また、匿名での投稿だからと過激な発言や品のない誹謗中傷なども存在します。実際の社会と同じように、インターネット上でもモラルが大切であることは言うまでもありませんね。
デバイスを活用する場面は、家庭、個人、ビジネスと幅広く、今やどのような産業でもテクノロジーが活用されている場面でコンピュータやプログラムが動作しています。そして、そのテクノロジーは日進月歩で大きく変化しています。知らなかったテクノロジーに触れ、子どもたちが学習し、社会に役立つ価値を創り出していくために、制限するだけではなく利用を促進することが前提です。学校の授業で使用するインターネット利用の範囲で、全ての情報セキュリティ対策が習得できるものではないこと、学校以外でのインターネットへの自由なアクセスにこそリスクが多いことなどを踏まえ「活用」出来るように保護者並びに私たち大人たちも理解し、子どもたちと共に学びながらITリテラシーを向上させていきましょう。
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この記事の執筆者:
メガスタプラス編集部
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