
【後編】なぜ、幼児が英検準2級を?小学3年生レベルをめざすわけは?大丸、松坂屋グループの幼児教育。
2021.2.17
大手の企業が本社ビルを売却すると決定したことなどからも、昔のように有名大学に入学して、霞が関の立派なビルの会社に通勤する働き方は崩れました。この流れは変わらないだろうと思います。ここのところ東京からの移転・移住も増えているそうです。首都圏で住んで働くのが当然という意識から、近郊に移住してリモートワークが可能になったことで、緑の豊かな環境で家族ごと移転するなんていうことが出来るようになったわけです。
コロナは何を変えてきたか、教育は何を問われているか。働き方、家族の生活、子どもの教育まで変わったということですよね。私は、一部がコロナ発生前の状態に戻ることがあっても全部は戻らないと思っています。それは昔を振り返っても便利なもの、合理的になったものが戻る歴史はない、という事実からもそう思います。そして、様々なことが変化して、今、働き方や教育が問われています。
コロナに限らず、以前から個人ごとの価値感が多様に広がってきていたという面もあります。昔の工業化社会では「記憶力が高くて同じことを正しく繰り返せる人」が優秀でしたが、これからは「様々なチームワークで問題解決できる力」や、「グローバルな考え方でイノベーションを起こす側でリーダーシップを発揮できるような人」が強く求められていきます。この点はコロナが発生したことと関係なく進んできたことですが、今回コロナによりこのスキルを身に付けた人材が必要とされる未来がハッキリと分かることになったと思います。
私たちがうすうす感じていた、徐々に変わりつつあった「将来は、こうなるだろうな。」ということが、ここで一気に現実として社会に変化が進むと考えています。大手企業でも終身雇用制度はなくなり、新卒採用もジョブ型スキル化へ、コロナが治まったとしてもグローバル人材の流出は高まり、海外の人材が日本でも活躍するようになります。例えばアジアの優秀な若手と私たちが一緒に働くようになるということですね。すでに公用語が英語である会社もありますし、私たちはこれからアジアを中心とした優秀な海外の人材と職を共にし、そのポジションを争う時代になっていくということです。
便利なもの、合理的になったものは戻りません。その中で、以前のカタチに「戻ろう」としているものがひとつあります。それが「日本の公教育」です。これについて私はとても問題だと思っています。色んな意味で、教育を変える大チャンスだったのに、変わらないだけでなく、戻ろうとしているんです。コロナの影響で、ICTを駆使してオンライン授業なども取り入れ、文科省も「学びを止めるな!」と取り組んできましたが、なかなか教育現場がついていけなかったんですよね。変化に思考が停止したまま動けなかった人たちは、元の教育のカタチに戻そうとしています。世の中は変化しているのに150年も続いてきた教育の仕組みへ戻すと言っているんです。GIGAスクール構想によるデバイスの配布など進んではいるものの、一斉収容、同じペースでの学習形態という本質的な面が変わっていません。
公教育のほとんどが以前の姿に戻ろうとしている一方で、我々インフィニティ国際学院としては学び方も変化させ、新しい選択肢を常に提示しているわけですが、オンライン導入や今、「来年のことでさえ見通しが立たない」というこの状況で私たちが問われているのは、変化できる人間であること、変化できる子供たちを育てること、そしてそれを教える学校そのものや、教わる学び舎を提供することだと考えています。そこに我々インフィニティ国際学院の価値が求められているわけです。
我々もコロナの影響で当然苦労しましたが、ポジティブに考えています。その都度、今、この瞬間に何が出来るか、我々はチューターともども全員で常に考え、カリキュラムを進めてきました。去年の前半はオンラインで学びを止めず、秋からは北海道に渡り、そして北九州では「生命」について深いテーマで学びました。本当であれば今頃はインドのネパールにいる予定だったのが、今は西表島で無人島みたいなキャンプ生活をしています。私たちもこれらのことを通じて本質的なものを学び、生徒たちもこの劇的な状況の変化に変わることの必要性や大事さを自ら五感で感じ、学んだと思っています。
グローバル教育というのは海外で学ぶことだけではなく、日本そのものを知って世界視座でものごとを考える教育を行うことも、グローバル教育だと思っています。海外に行けないのであれば日本国内でどんな学びが出来るか、プログラムや学習カリキュラムを変えてきたわけです。コロナも治まっていませんから、これからも何が起きるか分かりませんが、我々は常にしなやかに変化出来る学校でありたいと教職員ともども思っています。その学びから育まれる若者たちが世界を変えるリーダーとして、将来に何が起きても変化に従う側ではなく、リーダーシップを発揮して変化を起こす側で活躍していただきたいと思っています。
インフィニティ国際学院では、豊かな経験と卒業後の世界を見据え、10年後を見据えた人材育成を目指します。インフィニティマインドの「8つのコアスキル」には、ビジョン構築力、共創・変容力、語学力、コミュニケーション力、情報判断力、論理的思考力、突破力、セルフマネージメント力が重要だと考え、これらを3年間で身に付けることが出来る学習カリキュラムを組んでいます。常にアンテナを高く持ち、しなやかに与えられている環境の中で、最も学びを高められるものを選んでいきたいと思っています。
「少人数制」と「答えを教えない教育」という方針はそのままに、2021年度アップデートする学習カリキュラムと方向性の進化には大きく3つのポイントを取り入れます。学年制から異年齢学習へしたこと、オンラインとオフラインを融合、場所を問わず語学力向上と国際的な経験が身に付く研究型教育カリキュラムでは、国内にいても海外のことを学ぶことが可能です。現在は海外渡航が難しい状況ですが、インフィニティ国際学院の特徴でもある海外志向の生徒が多く集まっていることもありますので、状況を見ながら海外での教育も実施したいと考えています。